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瞳を潤ませるフィアと、胸を張りふんぞり返る俺。
そしてワンペは……
「仕方ないなあ」
俺の肩から飛び降りてスカートの裾を引っ張って桃源郷を隠し始めやがった。
ウラギリモノメ。
「あ…ありがとう」
「どういたしまして」
ああ、純白がワンペの手で隠されちまったよ。
「ユーヤ、この子……デーモンよね?」
「そうだな。一応、分類ではそうなる」
「どうも、僕がデーモンワンペ閣下。年齢は十万十六歳です」
うん、とりあえず小暮閣下に謝れ。
「どうしてデーモンがマイス本部に……」
再びもぞもぞ動き、なんとかベッドに腰掛ける体勢になったフィアが自分の隣でドヤ顔を決め込むワンペを見つめる。
「日本から持ってきた」
「タダで海外旅行満喫中だよ」
空港のゲートも余裕でスルー出来ちゃったしな。
「いや、そーゆー意味じゃなくて……」
「ああ、僕はお兄さんの人生のパートナーだからね。どこに行くのも一緒さ」
待て。微妙に誤解を受けそうな言い方をするなし。
そしてフィア、そんな目で俺を睨むな。
「私がいるのに……よりによってデーモンと一緒になるなんて!」
「落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない」
視線と殺気が刺さる刺さる。このままだとフィアの視線と殺気だけで俺の身体に穴が空くかもしれん。
そして元凶のワンペよ。貴様は何を楽しそうに見てやがる。
後でお仕置きだな。
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