outside『進化』

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「きゃっ」 突然、背中と膝裏に触れられた感触と直ぐに襲い来る浮遊感。 まさかコレは……噂に聞いたことがある、恋人の男性が恋人の女性にする行為。 物語の中でお姫様が王子様にされたことでその名が付いたという……伝説かと思われた行為。 お姫様抱っこ!? 「ちょっ、ユーヤ!」 「足腫れてたろ。黙って抱えられとけ、引っ越しの荷物と変わらぐはぁ」 一言多いのよ。ときめいてた乙女心を返せ。 まあ、心配してくれてるみたいだしパンチ一発で許してあげる。 「理不尽な暴力反対」 「今のは妥当だと思ふ」 ワンペちゃんは分かってるわね。ユーヤはもっと乙女心を勉強しなさい。 暗い廊下をワンペちゃんの指示で進むユーヤ。 真っ直ぐ歩いてるつもりでも、暗闇の中だと自然と曲がってしまうようでワンペちゃんの指示で数度の方向修正をしていた。 それにしても、ワンペちゃんみたいなデーモンもいるのね。 もしかしたら今までに倒してきたデーモンの中にもワンペちゃんみたいのが居たのかしら…… 任務で倒したデーモンは数知れない。奇襲されたデーモンは弁解する余地もなく命の灯火を消された。 明らかに理性も無いようなデーモンもいたが、もしその中に…… 考えたくない。 少なくともワンペちゃんの存在を知った今、以前のようにデーモンを倒すことは出来ないだろう。 私がして来たコトは正しかった……のかな?
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