outside『進化』

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嫌なことを考えてしまうが、私を抱き上げるユーヤの腕と胸から伝わる温もり、ユーヤの匂いが心を落ち着ける。 「お、灯りが見えた」 もう少し静かに温もりと匂いに酔いしれてたかったのに……空気が読めないと言うか、タイミングが悪いと言うか。 「気を付けて。グレイプニルが解けたのはシックスに伝わってるはずよ」 鉢合わせは避けたい。 出来ることならこのまま本部を抜け出したいところだ。 「シックスってなんぞ?」 「あれだ。悪の新人類のコトだよ」 「マズいな。俺、魔界777つ道具とか使えんぜ」 何の話をしてるのコイツらは? 「シックスはマイスの本部長!実質的な最高権力者よ!」 本部の地下牢から私を攫ってる最中だってのに、何でコイツらはこんなに呑気なのよ。 「ふむ。ソイツって、長い白髪で法衣みたいの着た爺さん?」 「爺さんってほど年じゃないと思うけど……そうね」 「そうかアイツか、把握した」 あれ?人相まで言ってなかったのにどうして…… 不思議に思ってユーヤから視線を外し、廊下の先を見れば―――そこに居たのはシックスとセブンデイル。そして何故かアインスまでもがいた。 何してんのよアイツは。とうとう個人的にシックスの犬にでもなったのかしら? ―フィアside out―
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