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俺の発した言葉から危険を感じたのか、イケメンは避けずに耐える道を選択したようで、両腕を顔の前でクロスに組んでガード。
腰を落として後ろに吹き飛ばされないような体勢を取った。
まあ、避けると後ろにはシックスがいるので、他に選択の余地も無いんだろうが。
馬鹿め……
メリッ―――
鈍い音と共に俺の右足、スネの辺りがイケメンの股間に埋もれる。
「◇∀◇√♂(;`皿´)゛!?」
言葉にならない叫びと共に前のめりに崩れ落ちるイケメン。口元からは白い泡のようなモノを吹いている。
残った男としての時間を大切に生きるがいい。次に会うときは新宿二丁目だな。
俺がしたコト、別に難しいコトじゃない。
術を使いますよーと見せかけてガードした所を一気に近寄って急所に一撃入れただけ。
契約者同士の戦いだから使えるフェイントだな。
右足のスネに残る『ぐにゃっ』とした感触が気持ち悪いが仕方ない。イケメンを滅ぼした代償として甘受しよう。
「お兄さん……色んな意味で心は痛まないの?」
「心ってより股間がムズムズする」
同じ男として今の攻撃は多少なりとも俺の心に傷を作ったらしく、攻撃した側なのに股間に違和感がある。
この技は危険過ぎる。封印しよう。そうしよう。
これで残るはシックスのみ。セブンデイルは未だ呼吸が戻らずに立ち上がれないし、イケメンは……もう色んな意味で無理だろう。
「さて、邪魔者は居なくなったし……」
そんな中で無表情に佇むシックスを指差し俺は告げる。
「お前の罪を数えろ!」
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