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レーヴァティンを前に構えたまま詠唱して身体強化の術を発動、即時に衝撃波を放つと共に横に跳びシックスの側面に回る。
衝撃波を受ける為に展開されたグレイプニルの横をすり抜け、シックスの隣に立った俺はレーヴァティンを振り下ろす。
狙いはグレイプニルを操るために前に伸ばされた左腕。
だが、レーヴァティンの刃はシックスの左腕に届こうかと云うところでグレイプニルに阻まれた。オート防衛機能でも付いてんのかコレ?
つーか、今グレイプニルが斬れなかったぞ。
さっきまでの強度ならグレイプニルごとシックスの左腕も両断できたのに。
「この強度だとさすがのレーヴァティンでも斬れぬか」
この強度がどの強度か分からんが面倒なコトになったな。
再び牽制の衝撃波を数発放ち、防ぐ渦状のグレイプニルに刃を振り下ろすが、やはり渦巻く鎖はレーヴァティンの刃を弾いてしまい断ち切れる様子はない。
―――あ、思い付いた。これなら行けるかもしれん。
ただ、奇襲気味な戦法だから効果的に使えるのは最初の一回こっきりだろう。リーチ的にアレだから距離もギリギリまで詰めにゃならんし。
「食らえやぁ!」
衝撃波を三つ飛ばせば、シックスはグレイプニルを前面に渦状に展開。俺の予想した通りになる。
だが、此処からがさっきまでとは違う。
俺は衝撃波の真後ろをダッシュして間合いを詰めると、渦状のグレイプニルの十センチ程度の隙間にレーヴァティンを真っ直ぐ差し込んだ。
斬撃は通さないかもしれんが突きは通すんだよ!
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