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杖の先に灯った光は小さくなり、逆にセブンデイルに灯った光は身体を包み込む程に大きくなる。
俺にはどんな術なのか分からないが、セブンデイルが片膝を着いたってコトは効果的な術なんだろう。
「後ろからっ!」
ワンペの叫びにフィアは迷わず前に跳ぶ。
再び先ほどまで居た場所をグレイプニルが蹂躙するのを後目にケーリュケイオンを両手で握り締めたフィアはその手を大きく振りかぶった。
まさか―――
振り下ろされた杖が狙うのはセブンデイルの頭。
術で崩れ落ちている無防備な頭に向かって勢いよく振り下ろされる棍棒のような太さの杖。
ああ、俺もアレで殴られたな。
しかし、振り下ろされた杖がセブンデイルの頭を割ることは無かった。
寸前に張られたグレイプニルの渦状の盾によりケーリュケイオンは弾き返される。
「くッ!」
弾かれた反動を使い大きく跳び退いたフィアは再び杖を前に詠唱を始めた。
「下がっていろ」
「大丈夫です!少々油断しましたが問題ありません」
崩れ落ちていた身体に灯っていた光が消え失せセブンデイルが立ち上がる。
「よくもシックス様の前で恥をかかせてくれたな!」
シックスとセブンデイルの関係など俺は知らないが、この様子を見る限りただの上司部下とは受け取れない。
まさか……BL!?
アッーーーーーーーーーー!!
いや無いな。
シックスは六十前後、セブンデイルが四十前後。
あったとしてもオッサン同士の濡れ場なんて見たくもねえ!!
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