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「ふん。デーモンがマイス本部に侵入するとはな」
床に叩きつけられ動かないワンペにグレイプニルが一本巻き付きその身体を締め上げる。
「やめろ!もう勝負はついた!お前らの勝ちだ!」
「そうだな。だからどうした?勝者は敗者の処遇を決する権利を持つ」
左肩を刺し貫かれたままのフィアとグレイプニルに締め上げられるワンペ。
「お…兄さん……楽しかったよ」
やめろ、フラグを立てるな……
「敗者には―――死だ」
ボキリッと鈍い音と共にグッタリと動かなくなるワンペ。
「ふっざけんなぁぁぁ!!」
なぜ殺した、勝負はついてたんだから殺す必要は無かったはずだ。ここがマイスだから?そんなの関係ねぇ!ワンペが人に害悪を及ぼす存在に見えるか?見えねえしワンペはワンペだ。魔物なんて枠で一括りにしてんじゃねえ!それをそれをコイツは……
「あああああああああッ!!」
全ての力を振り絞り身体を拘束するグレイプニルを引き千切ろうとするが、グレイプニルはビクともせずソコに在り続ける。
俺にもっと力があれば……理不尽な暴力に立ち向かえる力があれば……
『力が欲しいか』
久しぶりに聞こえた声。
『力が欲しいか』
今は声が誰かなんて関係ない。
『力が欲しいか』
俺が望むモノはただ一つ。
「コイツらをぶち殺せる力を俺に寄越せえぇぇぇ!!」
『ならば力をくれてやろう!』
そして俺の中で何かが壊れた。
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