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「なぜだッ!先程までは確かに私の力の方が高かったはず……!」
違和感はシックスも感じていたようで、静かに歩み寄るユーヤから少しでも遠ざかろうと壁を横に伝っている。
「なぜ……だと?答えは簡単だ」
片手でレーヴァティンを上段に振りかぶり、シックスへと歩み寄るユーヤ。
私も知りたい。何がユーヤを変えたのか。
「お前は俺を怒らせた」
……え?
怒っただけで強くなったの!?
どんだけなのよアンタ!
でも、実際に強くなってるのも事実。ユーヤは怒らせないようにしよう……
「ワンペの痛みと同じ痛み
ワンペの苦しみと同じ苦しみ
ワンペの恐怖と同じ恐怖
ワンペの絶望と同じ絶望をお前に与えてやろう」
振るわれたレーヴァティンは防御に展開されたグレイプニルを物ともせずシックスの左腕を切り落とした。
「あああああああああッ!!何故だッ!たかがデーモン一匹如きでッ!!」
切り落とされた左腕からの出血をグレイプニルを巻くことで止血したシックスだが、その動揺を隠すことが出来ない。
「そうだな……お前にとってワンペは『たかがデーモン一匹』だ」
ユーヤは言いながらも前屈みになるシックスへと再びレーヴァティンを振りかぶる。
「なら、俺にとっては『たかがお前一匹』だ」
再度振るわれたレーヴァティンの剣閃によりシックスの右腕は肘から先で斬り飛ばされた。
―フィアside out―
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