outside『進化』

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「らあッ!」 袈裟に振るったレーヴァティンをフルンティングで受けるセブンデイル。 これで止まるワケがないだろ! 左右に打ち分けながら攻める俺だがセブンデイルはその攻撃を危なげなく防いでみせる。 ぶつかり合う連続した金属音。 薄暗い廊下に剣撃の火花が散っては消える。 ダメだ。決め手に欠けてる。 本気で攻めているんだが一撃も入らない。 せっかくパワーアップしたのにそれ以上にパワーアップされるとかどうなの。 おい『声』、もっかいパワーアップさせろよ。 「いくらレーヴァティンとは言え初期過程で私のアガシオンは破れませんよ」 初期過程……だと。 やっぱりまだパワーアップの余地があるのか。 どうやって…… 今すぐ力が欲しい。 セブンデイルを倒せる力が! しかし、声は応えない。廊下に響くのはぶつかり合う剣撃の金属音のみ。 くそッ! 今セブンデイルを倒せなきゃ後がないのに。 「そろそろ終わりにしましょうか」 「アンタがね!」 黒い笑みを浮かべたセブンデイルを淡い光が包む。 これは――フィアの術だ。 先ほど見た分には身体能力を著しく低下させる術なんだろう。 効果時間は短かったが。 何にしろコレはチャンス! 「ちッ!まだ動けたのか!」 光に包まれ舌打ちするセブンデイルだが、言葉に反して身体は床に近付いてゆく。 「うおおおおおおおおおッ!」 今込められる全力。 『声』に与えられた力をレーヴァティンに乗せ、紅黒い刃をセブンデイルの頸へと振り下ろした。
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