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目が覚めた俺はベッドの上だった。
窓からは朝日が差し込み鳥たちの囀(さえず)りさえ聞こえる。
時計を見れば7時を少し廻ったところ。
ぼやける頭もそのままにリモコンを手に取りテレビを点ければ、画面ではお天気お姉さんが今日は一日快晴ですと無駄なテンションで叫んでいた。
ふむ。何だか大切なコトを忘れてる気がするが、思い出せないってコトは大したコトじゃないんだろう。
パジャマ替わりのスウェットの上下を脱ぎ捨て、黒いダボ系ジーンズに黒いシャツといつもの服装に着替える。
首からシルバーのクロスを下げれば完成。
別にクロスは宗教的な意味合いはない。ただ、黒が好きな俺の服装上、ワンポイントがないと逆に締まりがなく見えてしまうので着けているだけだ。
着替え終われば歯磨き、洗顔と朝のルーチンワーク。
今日は職安でも行ってみるかな……そんなコトを考えながらテレビを眺めつつトーストにかじりつく。
いつもの平和な朝だった。
朝食を終えると、黒いデニム地のハーフジャケットを羽織り部屋を出る。
目的地は職安。
俺の就職を賭けた聖戦(ジハード)が今始まった。
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