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つまり……ユーヤの精神はこの程度で壊せるとレーヴァティンに判断されたというコトだ。
予想外の脆さね……
平和な日本という国で暮らす若者の精神とはかくも弱々しいものなのか?それともユーヤが特別弱いのか。
「はぁ……こんなのに惚れちゃった私が悪いのか」
あの情熱的なキスがいけなかったんだ。もう溜め息しか出てこない。
まあ、ここまで来た以上手助けするんだけどね。
とりあえず初老の域まで達しているユーヤの年齢を肉体と同じ年齢まで戻す。
ここは精神の世界なので、見た目がそのまま力に変わる。
初老の姿ではユーヤは見た目のままの力しか出せないので、実年齢の姿にケーリュケイオンのスキルを使い戻してやるのだ。
スキルを使って助けられるのはそこまで。それ以上に手を出してしまえば、契約出来たとしてもレーヴァティンを扱うことは出来なくなってしまうだろう。
あくまでもこの状況はレーヴァティンに認められ、扱えるようになる為の儀式の一環なのだ。
杖の尻をを地面に突き刺し、古代語で詠唱を始める。
古代語と言っても私にはいつの時代の言葉なのかは分からない。
ケーリュケイオンが意識を介して教えてくれたものを丸暗記してるだけだから。
「頑張りなさいよね」
詠唱を終えた私はそう呟き杖を横に振った。
―フィアside out―
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