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「俺の力……」
「そうよ!Youはこんな所で終わっちゃダメ!自分の隠された力を信じて!!」
どうしてだろう、彼女の言葉を聴く度に力が体に溢れ出してくる気がする……
これが……これが邪気眼の力!?
「と言うことは、お前等はカノッサ機関の手先か!」
未だ女の子に視線を向ける武装した若者達を見る。
そんな俺の言葉に反応したのか、若者達は女の子から視線を外し此方を見た。
そして俺は初めて気付いた。若者達の目が真っ黒に染まっていることに。
「やはり、カノッサ機関!くっ……俺の邪気眼が暴れ出しやがった」
右腕を抑え苦しそうに呟く俺に女の子が心配そうな眼差しを向けている。
あの眼差しを俺は知っている。可哀想な人を見る目だ。
だが、女の子からの眼差しに挫ける俺ではない。そんな眼差しなど中学生時代から貰い慣れたわ!
右腕を押さえたままの俺に凶器を振りかぶった若者達が襲い掛かる。
右から、左から、上から、斜めから、振るわれる木刀や鉄パイプだが、俺にはかすりもしない。
何故かさっきからやたらと体に力がみなぎって仕方ないのだ。
特に集中している訳でもないのに、襲い来る凶器がスローモーションに映る。
今ならやれるかもしれない。
そんな根拠のない自信の許、若者達から数メートル距離をとると右手を前に翳す。
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