link『俺の邪気眼発動』

15/17
前へ
/317ページ
次へ
―フィアside― 長い詠唱を終えたユーヤが叫んだ。 「エターナルフォースブリザード!!」 どうしてこうなったのよ? 確かにここはユーヤの精神世界。心から望めば彼が思い描く全てが叶う世界。 でも、それは常識という枠から外れない事象のみだ。 いくら精神世界とはいえ、普通の人なら空を飛ぼうとしても飛べない。「人間は飛べない」という常識があるから。 当然、魔法を使おうと思っても使えない。今まで生きてきた中で培った「魔法は使えない」という常識があるから。 それなのに…… 私の目の前で起こってる現象は明らかに魔法と呼んで差し支えないものだった。 浸食しようとするレーヴァティンの分身たる若者達を中心に吹き荒れる純白の、肌を刺す極寒の嵐。 確かにアーティファクトを使えば魔法のようなスキルが使えるようになる。 それぞれのアーティファクトが持つ特殊能力に限られるが、一般人から見ればそれは魔法以外の何物にも見えないだろう。 つまり、私たち人間がスキルを使うためにはアーティファクトが必要なのだ。 それなのに…… 精神世界とはいえ、ユーヤはレーヴァティンとの契約もしないままにスキルを使った。 それはつまり、ユーヤは心の底から魔法が使えると信じてるということだ。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11369人が本棚に入れています
本棚に追加