link『俺の邪気眼発動』

16/17
前へ
/317ページ
次へ
てゆーか、こいつ人間なの? 魔法を心から信じてる人間がこの世界にいるなんて信じられない。 実際にケーリュケイオンを持ってる私ですら魔法なんて信じていない。私が使ってるのは杖の特殊能力であるスキルだ。決して魔法ではない。 例え私が自分の精神世界に入ったとしても、魔法なんて使えない。使えるはずがない。 それ程のことをユーヤはやってのけたのだ。 そして鉄橋の下で哄笑を上げているユーヤ。レーヴァティンに何故ユーヤが選ばれたのか分かった気がする。 あの黒い笑み。レーヴァティンの過去の所有者の記録と同じ、負の感情が強い者が浮かべる特有の笑みだ。 アーティファクトの所有者、契約者にはアーティファクトごとに傾向がある。 有名なところではエクスカリバーの契約者。その人は品行方正を絵に描いたような人物らしい。 何故かと言うと、エクスカリバーが選ぶ所有者の基準がそこにあるからだ。 清廉潔白、品行方正など強い正の感情を持つ者を所有者に選び、その中からさらに契約に相応しい者を選ぶ。 なので、エクスカリバーの契約者は総じて善人、と言うか良い意味で純粋な人が多い。 しかし、それに対極を為すのがレーヴァティンである。 エクスカリバーが正の感情ならば、レーヴァティンは負の感情を契約の基準とする。 前回、私とアインスがレーヴァティンを危険なアーティファクトとして回収に向かった理由はそこにあった。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11369人が本棚に入れています
本棚に追加