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てゆーか、こいつ人間なの?
魔法を心から信じてる人間がこの世界にいるなんて信じられない。
実際にケーリュケイオンを持ってる私ですら魔法なんて信じていない。私が使ってるのは杖の特殊能力であるスキルだ。決して魔法ではない。
例え私が自分の精神世界に入ったとしても、魔法なんて使えない。使えるはずがない。
それ程のことをユーヤはやってのけたのだ。
そして鉄橋の下で哄笑を上げているユーヤ。レーヴァティンに何故ユーヤが選ばれたのか分かった気がする。
あの黒い笑み。レーヴァティンの過去の所有者の記録と同じ、負の感情が強い者が浮かべる特有の笑みだ。
アーティファクトの所有者、契約者にはアーティファクトごとに傾向がある。
有名なところではエクスカリバーの契約者。その人は品行方正を絵に描いたような人物らしい。
何故かと言うと、エクスカリバーが選ぶ所有者の基準がそこにあるからだ。
清廉潔白、品行方正など強い正の感情を持つ者を所有者に選び、その中からさらに契約に相応しい者を選ぶ。
なので、エクスカリバーの契約者は総じて善人、と言うか良い意味で純粋な人が多い。
しかし、それに対極を為すのがレーヴァティンである。
エクスカリバーが正の感情ならば、レーヴァティンは負の感情を契約の基準とする。
前回、私とアインスがレーヴァティンを危険なアーティファクトとして回収に向かった理由はそこにあった。
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