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負の感情を選定するレーヴァティンである。まず契約者となるのは悪人と呼ばれる人種に間違いないだろう。
でも、実際に会って話してみたユーヤはごく普通の一般人だった。
何故レーヴァティンに選ばれたのか分からないぐらいの普通さ。それに安心してしまったのもあるかもしれない。
私は回収を目的としたレーヴァティンをユーヤとリンク(契約)させる道を選んでしまった。
そして今、目の前にいるユーヤは明らかにレーヴァティンが選ぶに相応しい負の感情剥き出しの哄笑を上げている。
これがユーヤの隠された本性だったと云うことか……
レーヴァティンが所有者と認めたのだから当然と言えば当然。
あまりにも普通に見えたせいで侮った私の落ち度だ。
きっとユーヤはレーヴァティンの契約者になれる。
精神世界とはいえ魔法を使える程の心の持ち主ならばレーヴァティンも放ってはおかないだろう。
問題はこの後。
精神世界で負の感情に目覚めたユーヤ。
レーヴァティンと契約して本当の意味で力を手に入れたユーヤ。
過去レーヴァティンの契約者達は自らの欲望のままに力を奮った。
そしてそれはユーヤも例外ではないだろう。
こうなったのは私の責任だ。暴走する前に私が止める。
例えレーヴァティンとはいえ、契約したばかりならば私の力でも止められるはず。
それが……私の甘さから招いてしまった事態に対するユーヤへの贖罪。
―フィアside out―
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