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―フィアside―
いったい何なのよ!?
叫んで崩れ落ちたと思ったら人のパンツをガン見するとか。
しかも、言うに事欠いて「純白こそが神」ですって?違うわよ。神の色は黒よ!あの身に纏うだけでセクシーさを5割増に見せる黒こそが神の色に決まってんじゃない!
まあ、着る機会が無いのは哀しくもあるんだけどね。
ん?て言うか、ユーヤ……自我が残ってる?
崩れ落ちた時にはダメかと思ったけど、純白こそとか言ってるってコトは―――
「痛かった……今のは痛かったぞぉぉぉぉぉぉ!」
「きゃっ」
突然立ち上がり天に向かって吼えるユーヤに驚いた私は後ろに尻餅を着いてしまう。
右手に紅黒い剣を携え、叫び終えたユーヤは私に視線を落とした。
その目は長い前髪に隠れて確認できないが、今のユーヤは今までのユーヤと何かが違う。
言葉にして表すのは難しいが……そう、強いて言うなら雰囲気が違う。
部屋でのユーヤは私に向かって攻撃的な言葉を口にしていた時も、私の攻撃を避けていた時も、私の話を聞いていた時も、常に同じ様な空気を纏っていた。
どこか優しい空気。
それが今では、私の身を刺すような攻撃的な空気を纏っている。
これはもうユーヤじゃない。
おそらく…レーヴァティンに精神を支配されたダークユーヤだ。
ユーヤの姿をしたレーヴァティンだ。
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