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「手加減してやるから簡単に転ぶなよ」
そう言ったダークユーヤはレーヴァティンを横に一閃。生み出された衝撃波が私を襲う。
甲高い音を立てて衝突する衝撃波とシールド。
これで手加減?冗談じゃないわよ!たった一撃で前面に張ったシールドにはヒビが入り、次撃には耐えられないだろうまでに破壊されていた。
「おっ、さすがだな。それを耐えたのか。じゃー、もイッ発行ってみようか」
再びレーヴァティンを振るうダークユーヤ。
無理だ。次は耐えられない。そんな恐怖からキュッと目を瞑る。
シールドが破壊され、私の身体を弄ぶように蹂躙する衝撃波。
そんな光景が脳裏に過ぎった次の瞬間、私の身体は宙に浮いた。
「きゃっ」
不意の浮遊感と腹部の圧迫感に閉じた目を開ければ、目に映るのは草の生い茂る地面。足は着いておらず、腹部の圧迫感の正体はダークユーヤの左腕。
つまりどんな状態かと言うと、小荷物を運ぶかのように小脇に抱えられた状態だった。
「えっ?何コレ??」
思考が追い付かない。
来ると思った衝撃波は来ずに、いつの間にか横に現れて私を小脇に抱えたダークユーヤ。
いったい何を―――
「そぉい!」
ぺちーん!
「にゃあ!」
「そぉい!」
ぺちーんぺちーん!
「にゃあああああ!」
ダークユーヤの取った行動。それは悪さをした子供を叱るかのような尻叩きであった。
―フィアside out―
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