Resist『予想外の現実』

11/13
前へ
/317ページ
次へ
「……何か失礼なコト考えてない?」 エスパーかおまいは。人の心を読むなし。 「何のコトか分からんな」 誤魔化せ誤魔化せ、どうせバレん。 「ならOKなんだけど」 ほら誤魔化せた。 「ふむ。こちらからも一つ質問いいか?」 「どうぞ」 「おまいは誰ぞ?」 「…………………………………………………………」 あれ?地雷?? なんかプルプルしてるし、さっきより顔が紅潮してる気がする。 次の瞬間、女の子は立ち上がって叫んだ。 「Youの婚約者のコト忘れるってどーゆうコトよ!」 どーーーん! 「婚約者……だと」 ありえん。こんなヒンヌ…ゲフンゲフン、スレンダーな外国人が俺の婚約者だなんてありえんだろ常考。 「そうよ!誓いのkissもしたじゃない!」 「なん……だと……そうか…そうだった気がしてきた」 目を伏せ思考を巡らせる。 確かにそう言われれば何だかそんな気もする。 そうだ、俺は彼女とキスをした。そして…… 記憶の淵に引っ掛かる片鱗を手繰り寄せ、顔を上げた俺。 あっ、なんだその悪そうな笑みは? その視界に飛び込んできたのは、女の子の何か企みの見え隠れする黒い笑みだった。 無言で俺は女の子を再び小脇に抱える。 「そぉい!」 ぺちーん! 「ふにゃあ!」 「嘘はいけないな。そぉい!」 ぺちーんぺちーん! 「にゃあ!sorry!ゴメンナサイゴメンナサイ!せっかくだから深層意識に刷り込んで既成事実にしようとしてゴメンナサイ!」 深層意識?よく分からんがやっぱり婚約者は嘘だったか。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11369人が本棚に入れています
本棚に追加