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この野郎…いや、女だから女郎か。俺のアピールタイムを邪魔するとは不届き千万。
そんなフィアとの火花散る視線の応酬をしていたが、不意に室内が騒がしくなっていたことに気付く。
何を話しているかは聞こえないがパーテーションの此方側、数人の男女が俺を見ながらボソボソと話し合っていた。
なんぞこれ?気分悪いわ。俺が何かしたか?むしろ、させて貰えなかった(自己紹介的に)のに何本人を目の前に噂してやがる。
「一ノ瀬さん……」
弥栄さんまでもが何故か驚いたような表情で俺を見つめていた。
見つめられるのは嬉しいが、そんな表情だと嬉しさも半減だぬ。
「なんすか?微妙に空気が悪くなった気がするんですけど」
「そりゃあねー」
弥栄さんに問い掛けた答えは、何故か隣に立つフィアから返ってくる。
その表情は何か知っている。いや、こうなるのを確信していたであろう半笑いを浮かべていた。
「どーゆーこったよ?」
俺に向かって突き刺さる微妙に冷たい視線に耐えつつフィアに問い掛ける。
「Youがレーヴァティンの契約者だからよ」
はぁ?
そんなの此処に居る他の連中だって何かしらの契約者なんだろ?一般人の中に契約者がいたら危険性から村八分になるのはわかるが、契約者の方が多いであろうこの室内で何故に俺が村八分な視線に晒されにゃならんのだ。
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