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「それに、がおぉぉぉぉぉって何よ?ちょっと面白かったじゃない!」
いや、そこを怒られるのは理不尽だ。面白かったのなら良いではないか。
「とりあえず…どうしてこうなったか説明を頼む」
後頭部をさすりながら身を起こせば、目に映るのは未だ壁に張り付くニコニコ金融(mythマイス)の人々。
まあ、唯一の出入り口が俺の背にあるし当然と言えば当然か。
その目は恐怖に捉えられ立ち向かって来るような意欲は感じられない。
「そうね……ヤエ、レーヴァティンの資料をユーヤに見せてあげて」
呼ばれた弥栄さんは言われた通り棚からファイルを抜き出すと此方に持ってきた。
肩を丸めオドオドとファイルを差し出す弥栄さん。何だか小動物を見ているようで癒されるな。
差し出されたファイルを受け取り俺が微笑みを返すと、弥栄さんは青い顔をしたままぎこちない笑みを貼り付け後退る。
その反応はちょっと傷ついちゃうぞ。
「読んでみなさい」
フィアに言われるままにハートブレイクな俺の手はクリップで纏められたファイルに目を落とす。
A4サイズの白い普通紙。一番上の紙にはド真ん中に一文『レーヴァティン契約者の考察』と書かれていた。
表紙を一枚めくると、中には過去のレーヴァティン契約者に対しての考察が纏められていた。
色々と心が折れそうになる内容。それを要約するとこうだ。
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