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「他に遣りようがあるでしょうが!」
そんな怒らなくてもいいじゃないか。ほら牛丼上げるから落ち着け。
「つーか、この状況をどうしろと。脱ぐか?武器は股間にしかありませんよって説得してみっか?」
いや、冗談だから。そんな汚物を見るような目で俺を見ないで。
「はあ…みんな、ユーヤは先代とは違うわ。ちょっと?変な所はあるけど……普通な感じよ」
ちょっとに疑問符を付けるな。そして普通って言うのに溜めるな。キングオブ一般人の俺のドコが変だと言うのだ。
しかし、そんな俺の切なる気持ちを余所に、フィアの言葉を聞いた一同は恐る恐るながら此方に近付いてくる。
なんぞ。一言でみんなを安心させるとか意外と人望あるのな。納得いかん。
別に悔しくなんか……
「がおぉぉぉぉぉ!」
「きゃー!」
「うわぁ!」
「いやー!」
「逃げろー!」
反省はしているが後悔はしていない。
「何やってんのよYouは!」
再び鳴るスパーンという音と共に崩れ落ちる俺。
振り向けば右手に握ったフルスイングしたと思われる緑色のスリッパを此方に向けて突き出してくる。
「何がしたいのよ!せっかく収まりそうだったのに!」
「なんとなく」
「なんとなくで場をかき回すな!」
ああっ、蹴らないで!踏まないで!新しい俺に目覚めちゃう。ビクンビクン。
結局フィアからの暴行はマイスの皆が止めてくれるまで続いた……
いくら身体が丈夫になったって痛いもんは痛いんだぞ。特に心とか。
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