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「すいませんでした」
俺は今、仁王立ちのフィアの前でジャパニーズ土下座を敢行している。
だって途中からスリッパじゃなく、ケーリュケイオン出して殴ってくるんだぜ。本気で頭かち割られるかと思ったわ。
「まあまあ、フィアもそれくらいで許してあげて」
おお、さすが弥栄さん。その優しさが女神のようです。
「浄玻璃鏡に誓ってもらうから、それで良いでしょう?」
前言撤回。貴女は鬼ですか?舌抜かれる自信しかないぜ。
「勘弁して下さい」
もう俺の額は床にベタ着けされている。これ以上の謝罪方法といえば土下寝しか思いつかん。
あ、焼けた鉄板の上で土下座ってのもあったか。
「それにしても……一ノ瀬さんって、記録に残ってる契約者とは全く違うタイプですね」
どうやらフィアにフルボッコにされたのが功をそうしたらしい。
女の子にボコられる俺の姿に先代レーヴァティン契約者の姿は被ることなく、俺は俺との結論に至ってくれたようだ。
初めの雰囲気に戻った弥栄さんに手当てされながらフィアの顔を覗き込む。すると、そこには頭から角を生やした鬼が立っていた。
こりゃ、ご機嫌が直るまでには時間が掛かりそうだ。
「ところで一ノ瀬さんはどうしてレーヴァティンと契約を?」
床に正座している俺に向かい、正面に正座して絆創膏を貼ってくれる弥栄さんからの質問。
関係ないが、絆創膏を貼るために伸ばされた両腕の間、窮屈そうに形を歪める双丘が俺の何かを破壊しそうです。
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