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「どれになさいますか?」
「働かないって選択肢は?」
「御座いません」
働きたくないでござる働きたくないでござる。
「ダメですよ一ノ瀬さん。アーティファクト契約者は必ず組織に属して働く義務があるんですから」
およ、それは初耳だ。義務と言われれば反抗したくなる十五の夜。
二十三歳だけどね。
「ちなみに組織に属して働かないと?」
「はぐれ契約者として追われます。アーティファクトの力を使えば……北くらいなら単身で滅ぼせますから」
北の独裁国家を単身で滅ぼせるって、何て人間兵器。レーヴァティンの性質と性能を考えると結構余裕で出来そうなのがまた怖い。
「それにこう言っては何ですが、給与は高いですよ」
給料が高いですと三宅さん。
「えっと…ちなみにどのくらい……」
「出動に対しての歩合制ですが―――」
三宅さんはそこまで言うと右手の平を前に出す。
「最低50万から!」
どどん!
「仕事によっては100万!」
どどどん!
「社会保険は当然として、危険手当てに傷病手当て、家電付き2LDKの社宅も完備!」
どぎゃーーーん!
「是非とも働かせて下さい」
再び土下座のポーズになり三宅さんに頭を下げる俺。プライド?何それ美味しいの?それで今日の晩飯が食えるの?
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