第壱話

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夕方の時刻を知らせる鐘の音が鳴り響く。 ゴーンゴーン 少女「お姉ちゃんばいばーい!」 黒く染まる遠くの道に手を振りながら歩いていく少女。 緋色に染まった空を見上げるとまだ飛び続けるカラスの群れそれを見上げながら「今日は、悪いことが起きるな」そう呟いて歩き出した。 チャキッ ?「大人しくしないと背中を打った斬る」 その言葉に背筋がぞくっとするのを感じる。 柚羅「何のために私をねらう?何のために私を殺そうとする?主は、私に殺されたいのか?」 ?「勝手にほざけぇ!」 男が刀を振り下ろそうとしたとき。 パシッ ?「そこまでにしておけ……こいつは俺の連れだ。」 男「さっ斎藤!」 男は、斎藤と名乗る奴に睨まれ血の気が引いていく。 男「はっ離せっ!」 斎藤は、言われたとおり手を離すと男は慌てて走って逃げていってしまった。 斎藤「すまなかった。 もっと早く助けに出たかったのだが、お前の発言に驚いていた……」 柚羅の方を向くと苦しく微笑んだ。 柚羅「私こそすまなかった。」 斎藤「なぜ謝る?」 斎藤は、優しい顔でそう訪ねてくる。 柚羅「私が、あやつに喧嘩を売らなければお前も出ることはなかった」 斎藤は、1つため息を付くと鼻で笑った。 斎藤「強いんだな?……逞しすぎる。」 柚羅「同じ言葉をそのまま返す。」 斎藤は、またもや鼻で笑うと「行く宛はあるのか?」そう訪ねてきた。
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