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act.4
不思議な手紙が初めて来たのは、俺が高等部に入って間もない頃。
ある朝、俺の下駄箱の中に一枚の真っ黒い封筒が入っていた。
一瞬、ラブレターか何かかと期待をしたが、北城は男子校だしラブレターにしては黒い封筒は不吉過ぎる。
俺は首を傾げながら、その封筒を裏返す。
しかし、宛名はおろか差出人すら書いてない。
俺は怖くなり、とっさにその真っ黒な封筒を鞄にしまった。
教室につき、誰にも見つからないように中を覗いてみた。
横開きの封筒には、たった一枚の便箋だけがあり、そこにはプリントされた文字で…
『伝説の男に告げろ、【南城が北城に攻めて来る】ただし、この手紙に関しては他言無用』
俺は直ぐに兄貴に言った。
兄貴は最初、信じてくれなかったが、その数日後にこの予言通りに南城が北城に攻めてきた。
それからは、俺はいつの間にか謎の手紙のメッセンジャーにされていた。
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