act.1

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act.1

何気ない兄貴との会話。 いつも、何かあると出てくる不思議な手紙の内容を俺は兄貴に伝えていた。 チャイムの音で俺はハッとする。 「ヤベっ…兄貴、俺行かなきゃ!! 俺、生徒会に呼ばれてんだよ」 今日、あの人が私物化した生徒会に俺は呼ばれていた。 呼ばれた理由はわかってる。 「裕太、お前なんかしたのか?」俺は首を傾げた。 「さぁ?俺にも良く分からないんだよね」 兄貴には心配をかけたく無いから無理にとぼけてみる。 『ピンポンパンポーン』 機械音とは程遠い人力の音 「げっ…」 俺はは、スピーカーに向けて嫌そうな顔をした。 『1年、玉森裕太君… 至急、生徒会室に来てください 今から30秒以内に来れば、軽い罰則にすると生徒会長が言っています。』 「30秒!?無理無理!!」 つか、軽い罰ってなんだよ!!! 『繰り返します…………』 やっぱりうちの生徒会長は、いつも理不尽だ…。 「裕太、あんなやつの言う事聞かなくて良いって!!」 「そっかぁ?」 俺はが不安気にに聞いた。 「なんか言われたら、『俺が言った』って言えば良いから…」 「兄貴…」 兄貴がニッコリ笑う。 「だから、ゆっくり行ってこい!!」 「あっ、そこは行かなきゃいけないんだ…」 「当たり前だろ? なんで呼ばれたか気になるだろ?」 「まぁ、確かに…」 ちょっとした罪悪感にいたたまれなくなりながら、俺は苦笑いした。 『玉森!!さっさと来い!!』 業務的に棒読みがちだったアナウンスから一変して、怒鳴り口調で呼び出してくる、理不尽生徒会長の声が流れる。 「ほら、生徒会長様がお呼びだぞ♪」 「たくぅ…、もしこれで怒られたら兄貴のせいだかんな!!」
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