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∞∞∞
そんな不思議な手紙が来なくなった。
俺が名前も知らない誰かさんに必要無いと切り捨てられたのか、渡せ無くなったかしたんだろう…
いゃ、どちらかと言えば前者の方だと思う。
俺は休み時間になると、必ずメールを書く。
【こっちは楽しくやってるよ】
送信ボタンを押して、ため息をつく。
いつも送るのはプラスなやつばかり…
マイナスなやつは未送信のメールとしてどんどん増えて行く。
本当はね…
『辛いよ…。北条に戻りたい』
また一つ、嘘が増えた。
「…裕太?」
「ん?」
「大丈夫か?」
泰観が心配そうに聞いてくる。
「うん、大丈夫…」
俺はそっとケータイを閉じ、微笑んだ。
「なら良いけど…」
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