2人が本棚に入れています
本棚に追加
「…うん、いいよ」
口から出てきたのは、感情のない言葉。
生暖かいものが、私の目からこぼれ落ちた。
「私ね、亮くん以外にね、好きな人できたの」
嘘つき…そんな人…いないくせに。
「私も、いつ別れようって言おうか、悩んでたんだ」
別れたいなんて思ってないよ…。
亮くんは、少しだけ驚いた顔が、少しだけ私の胸を傷つける。
「俺も…ほかに好きな人がいるんだ」
知ってるよ。そんなこと。
知ってたことなのに…
亮くんに言われた瞬間、体を引き裂かれたような、鋭い痛みが全身を襲った。
最初のコメントを投稿しよう!