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「え…、美香」
「私ね、亮くん以外にね、好きな人できたの」
彼女 美香は、静かに涙を流しながら、そう淡々と言った。
「私も、いつ別れようって言おうか、悩んでたんだ」
美香は、そう言って笑った。
勿論、まだ涙は流れつづけている。
「美香…」
「あはは…ごめんね。約束、破っちゃって」
美香にそう言われて、胸が張り裂けそうになった。
美香との約束…それは
『百年後も一緒にいること、他の人に一瞬でも気持ちが向かないこと。』
『ずっと相手に恋をし続けること。』
「亮くんに、恋し続けること…できなかったや」
美香は、俯きながらそう呟いた。
苦しい…。
ごめん、別れたくない。やっぱりさっきのは無かったことにしてほしい。
そう言ってしまいそうになる。
「謝るのは…俺のほうだ…」
「……」
「俺…も…美香以外の女の子に恋してるんだ…」
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