†magic・story†

―雇われの傭兵―

リデルは、ガイゼルに一人で生きていく術を叩き込まれた。

剣の使い方、魔法の使い方まで全てだ。

本当ならば、リデルは魔法養成学園に通っている年齢なのだが、その日暮らしでやっている為に、学費を払う余裕は到底ない。

しかも、傭兵という職業柄もあり、学園に通っている時間帯こそ働くべき時間帯なのだ。

周りの同い年くらいの子供達は、魔法養成学園のローブを身に纏い優雅に過ごしている。

リデルは、汚れのついた鎧を身に纏い、したくもない貴族の護衛や、紛争地域に赴き、人を斬り生きているのだ。

だが、リデルにも心が落ち着く一時もある。

それは、アリアに会えること。

アリア=セルビア

セルビア家の長女、魔法養成学園の二年生。アリアの父親は、ガイゼルと親しい友人であり、そのおかげで、リデルと仲が良いのだ。