―雇われの傭兵―

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「まぁ、よい。とりあえず明日、アリアと魔法養成学園へ行ってもらう事になっている。無論、生徒としてな」 ダリウスは、一枚の羊皮紙をリデルに渡した。 「待ってください!」 リデルは、羊皮紙に目を通して声を荒げる。 「俺が、魔法養成学園に入学とはどういう事ですか!」 「紙の通りだが」 「~ッ。そうじゃなくて、俺は護衛はするとは言いましたが、学園に入学なんて…」 「お前は、私に言ったな。傭兵として接すると。それなのに、雇い主の命令を拒むというのか?」 それを聞き、リデルは黙り込んでしまった。 「分かりました。我が雇い主の思うがままに…」 片膝をついて言った。 「それでよい。リデルよ、今日は明日に備えて我が屋敷で寝るがいい」 ダリウスは、それだけ言うと自室に行ってしまった。 残されたリデルとアリア。 「お父様は、貴方の事が本当に心配なのよ。ガイゼル様が亡くなってから、貴方は死に場所を求めるように戦地に赴いて傷だらけになって帰ってくる…」 アリアは悲しそうな顔をして言った。
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