夢とはまさしく夢である

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しばらく歩いていると、公園に着いた。 今まで人と車が沢山通っていたのに、その姿は一切無く、てか人がいない静かな公園だった。 名前は“あおぞら公園” 生まれ故郷の団地内にあった、大きめの公園だ。 大きく円を描いた砂利(じゃり)道の中には芝生があり、草野球ならそこでできるぐらいの広さがある。砂利道の外には遊具やベンチ、公衆トイレも完備されている。 そんなあおぞら公園に何故かたどり着いた俺は、アバターをベンチに座らせ、俺も隣に座った。 ゆっくりと時が流れていた。 そのうちに、アバターはぶらんこに乗りたいと指差すので見守りながら乗せてやることに。 最初は押してやると楽しそうにしていたが、途中から立ち上がり、自分でこぎ始めた。 その、何とも微笑ましい光景をただ見るだけだったが、俺にとっては至福のひとときだった。 しばらく見ていると、もう夕方になっていたので、アバターを呼んで、手をつなぎ一緒に帰った。
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