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七人十色以上の煌びやかな光が、塔内の最下層、玄関口でもある広場を満たす。
視界に映るそれらは、まるで異世界。
日本という一国を裏から支えてきた『彼等』一族は『忍者』と呼ばれ、普通の人間とは違う、不思議な力『忍術』を持っていた。
自然の中に、日常の中に存在するエネルギーの流れを増大し、具現化させる技。
猿飛 鼬─彼もそれを使えた。
しかも、歴代でも10の指に入るくらいの実力者である。
しかし、そんな鼬は目の前の異世界に畏怖していた。
自分の持つ技が、只の手品に見え、参加する気力を失わせる。
鼬(それでも…サポートくらいは!!)
集中力を極限まで高め、味方、敵、双方の隙と殺気を視る。
アレスが自分を無視しているおかげで、自分に興味を持たないおかげで集中できるという皮肉な状況でも、鼬の心は折れなかった。
槙『うるぁ!!』
アレスの右上から鱗に覆われた拳が飛来する。
召喚獣の力を自身に取り込む技『フュージョン』。
身体能力の向上も著しいが、見た目の変化もそれに比例している。
しかしアレスは、そんな攻撃などものともせず、華麗なバックステップで避けて冷めた目で言い放った。
アレス「すげー威力だなぁ!まぁ、当てられないんじゃ意味ねぇけどな!!」
さっきまで自分が居た場所にできたクレーターを見ながらニヤニヤと笑い挑発するアレス。
そんな攻防が、先刻から幾手も続いていた。
槙『ッッ!…ちょこまかと!!』
敵意を露わに向き直る槙。
その視界一杯に、銀色の世界が広がっていた。
ドンッ──
ヘルメス「槙君!!!」
銀色の鉄パイプは、その先端をハンマーの様に変化させ、体勢もままならない槙を襲った。
それをもろに喰らった槙は、破裂音と粉砕音を発しながら勢い良く壁に叩きつけられ、壁にめり込んだまま痙攣し、次第に動かなくなった。
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