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広斗『チィッ!くらいなっ!!!』
バチバチと青白色の火花を全身に弾けさせながら、フュージョンした広斗が迅速の蹴りを見舞う。
横目でそれを見たアレスは、ニイッと口元を歪ませる。
アレス『デス・サイス!』
先ほど槙を吹き飛ばしたハンマーは、先端を死神の持つ様な鎌に変えて、広斗の身体に顕現した9本の尾を引き裂いた。
広斗『ぐあぁぁぁぁ!!』
断面からは血が吹き出し、悶える広斗を見るアレスの顔には凍った笑みが貼り付いている。
アレス「アハ!『デス・ランス』!!」
一突き。
広斗の胸を銀色の槍が貫いた。
一変してうなだれる広斗と、おびただしい血。
そして、荒れ狂う戦闘狂の姿に、一同困惑の色を隠せない。
祐希『ヘルメス!なんだあの武器は!!』
裕次郎『これじゃあ近づけねーぞ!!』
貴清『槙!!広斗!!!』
ヘルメス「あれはアレスが生み出した神器『死鉄』…持ち主の意志で変幻自在に形を変えたり、魔力吸収の付加効果まであるんだ。そして最悪なのが──」
そこからの説明を遮るかのように、4人の間に神器『死鉄』を突き立て、アレスが着地した。
アレス「そこまでだヘルメス!!!ぶっ殺すぞ!!」
ヘルメス「ぐっ……!!」
あまりに強大な闘気に気圧され、同じ神でも怯んでしまう。
その隙を突き、アレスの掌はヘルメスの首を掴み吊しあげる。
ヘルメス「う…がぁぁ…!」
絶対絶命の彼を救う為に、手遅れになる前に仲間を救う為に、3つの攻撃が隙だらけのアレスを急襲した。
裕次郎『バトルウエポン-蒼破翼梃-!!』
両の手で持つ最大級の長さの柄。
その先端から左右に伸びるのは純白の羽。
それは天使の翼の様に白く『燃えている』。
舞う煌めきは、床に触れる度に焦げ後を付けていた。
裕次郎が操るのは『機械』。
所謂金属ならば『どんな状態』でも生み出す事ができるのだ。
貴清『ネクロメシア・ストライク!!』
ハデスと初となるフュージョンを果たした貴清。
暗黒の紋章で彩られた右腕が赤黒く変色し、アレスを狙う。
その腕から滴る緑色の液体と腐敗臭は、絶対に触れてはいけないと悟らせる。
祐希『デゼルト・スピラーレ』
テュールとフュージョンした祐希の黄金に煌めく掌には、光速で回転しながら砂塵が集まっていく。
いくら細かく砕石された砂でも、粉塵と化した異物でも、光速で肉体に衝突すれば、皮膚を貫通し、内臓を抉る凶器になるに違いない。
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