現実の厳しさ

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祐希の母親に朝食ができたと呼ばれ、居間に入る四人。 広斗「あ、お邪魔してまーす!」 槙「こんちわーっす」 貴清「お邪魔します」 三人が挨拶をしたのは祐希の父親である。 父「おう、おはよう」 一通りの挨拶や会話を交わした四人は当たり前のように席に着こうとする。 広斗「じゃあ俺ここー♪」 槙「えー、じゃあ俺ここで!」 貴清「じゃあ俺ここで」 三人はそそくさとテーブルを囲んだ。 祐希「じゃあ俺もここ!♪」 祐希もわざとらしく席に着く。 テーブルの前にはテレビがあり、祐希達が座った場所からはよく見える位置にあった。 どうやら丁度ニュースが始まったところである。 四人は朝食を食べながらなんとなく目を向けていた。 アナウンサー『おはようございます!まずはこちらのニュースです!』 スタジオから画面が切り替わり、映像が流れる。 アナウンサー『昨日の夜中から世界各地で相次いで起こった事件についてお伝え致します。まずこちらの映像です。』 画面に流れ出したのは、諸外国の都市が何らかの原因で崩壊して行く様であった。 ビル等は完全に崩壊し、世界の終わりを示唆しているような画になっていた。 アナウンサーは軍事テロや第三次世界対戦の始まり等の専門家達の見解を伝えてているが、同時に諸外国の首脳達は誰もが慌てて否定しているということも伝えた。 各国の記者会見等の映像も流れた。 父「これすげーよなあ?日本も安心してられないよなぁ?」 広斗「え…えぇ。そうっすよねぇ…」 四人は心当たりがありすぎて黙ってテレビに釘付けになっている。 会話が弾まぬ食事の場は一気に空気が重くなった。 アナウンサー『各国とも共通して目撃されているのは、この光る物体です。インターネット等では未確認生物の来襲等とも騒がれていますがどうなんでしょうかねぇ?』 解説の人達に意見を求めるアナウンサー。 画面ではその謎の光が映されている。 祐希達はもう確信していた。 解説者『軍事テロの確率も捨て切れませんが、あながち未確認生物という説も間違っていないかもしれません。光の中心を見てください。影があるでしょう。人影に見えなくもないですね。』  
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