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【憎悪】
男のいる場所へ向かうと、召使のものが、旦那さまは不在ですと言われた。
向かった場所は警察署と聞き、直ぐに引き返した。
警察署へ向かうと中が騒がしかった。
安置室の前で警察官達が騒いでいた、どうやら開かなくなったらしい。
あぁ、遅かった。
安置室の窓から見える。小さな手が男の首を絞めていた。
グレンが近づき声をかけてきた。
「よぉ、合わせたら遺体が起きてきた、んで、追い出されて、これだ」
「そうだろうね」
「お前・・・・知ってたな、こうなる事を」
「いや、魂が中の奴に喰われしまうだけと思ってた、それに、忠告は一応したつもりだけど」
「馬鹿か、お前、言葉の含みたりねーよ!」
「見守るしかないよね」
唖然とした顔をするグレンを横目に中の様子をじっと見た。
『ねぇ、わたしくしは何がしたいかわかりますか』
男は泣いていた。
『ねぇ、なぜ何も言わないのですの』
男は口をパクパクさせたが声にならなかった。
『わたしくしは何がしたいか分からない』
『貴方にお会いして何がしたいか分からない』
『教えてくれませんか?』
男はかろうじて動く右手を動かして少女の頭を撫でてから、鞄を指さした。
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