【恋える思い】

10/13
前へ
/24ページ
次へ
【憎悪】 男のいる場所へ向かうと、召使のものが、旦那さまは不在ですと言われた。 向かった場所は警察署と聞き、直ぐに引き返した。 警察署へ向かうと中が騒がしかった。 安置室の前で警察官達が騒いでいた、どうやら開かなくなったらしい。 あぁ、遅かった。 安置室の窓から見える。小さな手が男の首を絞めていた。 グレンが近づき声をかけてきた。 「よぉ、合わせたら遺体が起きてきた、んで、追い出されて、これだ」 「そうだろうね」 「お前・・・・知ってたな、こうなる事を」 「いや、魂が中の奴に喰われしまうだけと思ってた、それに、忠告は一応したつもりだけど」 「馬鹿か、お前、言葉の含みたりねーよ!」 「見守るしかないよね」 唖然とした顔をするグレンを横目に中の様子をじっと見た。 『ねぇ、わたしくしは何がしたいかわかりますか』 男は泣いていた。 『ねぇ、なぜ何も言わないのですの』 男は口をパクパクさせたが声にならなかった。 『わたしくしは何がしたいか分からない』 『貴方にお会いして何がしたいか分からない』 『教えてくれませんか?』 男はかろうじて動く右手を動かして少女の頭を撫でてから、鞄を指さした。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加