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【序奏】
それは何時もの風景・・・・。
ソレイユが作る、ホットサンドとコーヒーの匂いが寝室まで届く時、朝刊を配りに配達屋が訪れる、そして朝刊を、相棒のブレス(愛犬)が食卓にいる僕の所まで運んでくれて受け取る。
だけど今日は少し違った、ブレスは朝刊をくわえたまま、僕の書斎へともっていった。
食事を終わらせると、朝刊のある書斎へと向かった、いつも真っ先に見るのは、経済ニュースと下らない4コマだが、新聞の片隅にある小さなコラムを目にした。
そっと新聞に手を触れる。
『・・・・・・・・』
・・・・ああ、また、一段と騒ついてる・・・・、今日はなんだろう?
記事にはこう書かれてあった。
『神様は信じております、でも、神様は嫌いです。静音。』
コラムと呼べないくらい短い一言、その批判に僕はため息をつく。
新聞から手を離すと、そのコラムはすっと消えてなくなり、元の記事覧があらわれた。
[女性の身元不明遺体浮上。地元のカメラマンが見つける。
警察の調べによると、身につけている洋服と、見かけから異国の者とはわかっているが、遺体がたどり着いた経緯はわかっておらず、捜査中。]
自宅のベルが鳴る。
たぶん警察からだろう。
ソレイユが呼んでいたが、僕は手帳とコートをとり、電話をかわらずに家を後にした。
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