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プロローグ
ブラットフォートの申し出にファントムが二つ返事でそれを了承。
ブラットフォートが煙草の先を壁に押し付け、消した。
壁が少し黒く煤ける。
「まぁ、テメェならこの話に乗らねぇ訳がねぇと踏んでたから、この結果は当たり前か。
先に言っとくが、戦争になるぜ。
っ言っても、テメェは死なねぇんだろうな。
何せ不死身のファントム様だ」
「おいおい、過大評価なんかは求めちゃいないぞ。
誰が呼び始めたかは知らないが、別に俺は幻影(ファントム)なんかじゃあない。
一人の人間だ、脳天に弾喰らえばそれだけで死んじまうちっぽけな、な」
「先代社長と対等に殺り合った事のある人間が良く言う……」
ブラットフォートが口元を歪める。
しかしファントムはあくまで淡々と。
「それももう昔の事だ。
あの時はまだ俺も若くて、そして無鉄砲だった。
怖いもの知らずで、次々に世界の警察としての仕事をこなしていただけの俺も、結構な歳を取った。
身体にもあちこち少しずつだがガタがきてる。
四十超えてまだ頑張ったんだ、野球選手なら引退を考える頃だろ?」
「面白くねぇ程に人間味のある回答だ」
「俺が普通の人間だからさ」
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