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第一章
徐々に蓄積していく身体へのダメージ。
それなのに、そこに鞭打つようなアンラ・マンユの使用。
前回の戦いで石動雪花の手による気違いじみた改造を施されているお陰で機体スペックは決して悪くない。
いや、現行機を完全に超越しているだろう。
しかしその反面、身体にくる負担も尋常ではない。
動く度に身体はGに当てられ、口内に血の味が広がる。
――そんな中、グラムが取り出した小さな箱。
「CODEの機体……」
レナードがグラムの言葉を復唱した。
「クラリス……俺の妹の名前を持った機体だ。
キサマのその黒きアンラ・マンユを、俺が破断させてやる」
箱が展開されると、グラムの体に粒子のような物が吸着していき、あっという間に強化装甲服を形成した。
機体色は白堊、白だ。
無駄を省いた洗練されたフォルムをしていて、とても中に人が入っているように見えない。
印象としては、ヒーローショーのヒーローと言ったところか。
「お前には礼を言わないとな。
この機体には、技術部が得たお前の機体の解析データも含まれている。
スペック的に言えば、お前とも対等に戦える。
だが、人間としての強さはどうかな?」
チャキ、と刀を構える。
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