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暫く燻らせていた煙草。
何本目かに火をつけたところで慌てて走り来る部下の報告が森野の耳に飛び込む。
「そ、総長! サーチャーが到着致しました!」
報告を受けた森野はギロリとその部下の顔を眺めると、軽く息を吐いて――号令を下す。
「よし。捜索を開始! まずは班をふたつに分ける。これを一班そして二班と呼ぶ。一班は五十人体制。二班は残りの全てだ。どちらの班もサーチャーを所有する事!」
その動作は手慣れたものだ。あっというまに。手際良く班分けをしてゆく。
「一班は主に付近の市街地にてターゲットの捜索にあたれ! 二班はこの場で待機! この辺りの捜索を行う」
左手でベレー帽。その脇をポンポンと叩いて。煙草を持つ右手を右へ左へと動かしながら、
「ただしだ! どちらの班もターゲット発見の報告があり次第即座に現場を移動。速やかにターゲットを確保する事。以上! 散会!」
「「了解!」」
判で押したような部下の返答。
紫煙は腕の動きに合わせるようにして四方へと拡散していた。
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