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自身の持つ煙草。
その煙を目に浴びた森野は顔をしかめ、煙草を消して。もう一つ思い出したように指示を加えていく。
「……あ~、待て! 二班のうち十名は『第3都市』付近に向かえ。武器を忘れるな!」
「そ、総長、『第3都市』付近、とは!?」
「馬鹿か、お前は! あいつが裏を掻いて本部近くに潜む可能性もあるだろうが!」
言いながら森野は思う。
B塔本部や都市の警護隊ならともかく、管制塔あたりに見つかるような事があれば……厄介だ。
(可能性は低い。だが、用心に越した事はない)
保身に長けた思考でそう思うベレー帽の男は地面の小石を軽く蹴飛ばした。
「ハッ! 失礼しました」
「ようし! 必ず今夜中に捜し出せ! なんとしても連れ戻すんだ。以上!」
「了解!」
現在時刻は20時55分。長い夜の始まりであった。
(必ず捕らえる)
そう思った森野は、再び煙草に火をつけた――――
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