第19章 世界を傾ける力

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  「さて、そろそろ神様ごっこはお終いにしましょう。ワタシの左手に嵌めた《ヴォルテクス》にその程度の力は通じない」 「をぁっKfgh7シュっ!」 「そうね。怒りからか、慣れたのか。操られるでもなく自我を保ったままグレンツェントになったのは驚いた。だけど、それもここまで。発声はお粗末でも話を理解する事は出来るようだから忠告するわ。投降しなさい」  会話と呼べぬ会話が俺の見ている前で繰り広げられる。今の内容を聞く限り、カフカはカフカのままらしい。  そう考えた俺の目の前で今度は凄まじい爆発。  だが、それにもレイチェルは左手を向けたまま一切動じなかった。 「仕方ないわね……ちょっと痛い思いをして貰いましょう」  そう言うと今度は金色の閃光を右手の先で固定化させていく。  剣が出来上がった刹那、前に踏み出した足。  風の如くカフカへと疾走した。
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