13854人が本棚に入れています
本棚に追加
上から見下ろすレイチェルを下から無くなった腕の付け根を押さえ、睨むように見たカフカの瞳には表現しがたい色が宿っている。
それを見てため息をついたレイチェルが言った。
「もう少し痛い目に合わせないと分からないようね?」
そう口を開いたレイチェルの顔に今度は間違いなく愉悦の表情が浮かんだ。
そこからは見るも無残な一方的な戦いだった。
カフカの放つ奇跡を全て左手で掻き消して金色の光で躊躇なくカフカを斬って。撃って。叩き伏せる。
だが、殺すまではしない。
目を覆わざるを得ない惨状はそのままカフカが抵抗出来なくなるまで続いた。
「カフカぁーっ!」
動かぬ体を前に引きずって俺は無理やりレイチェルに迫る。
攻撃の合間にこちらを窺っていた彼女は俺の動作に対して即座に右手を向けた。
「おとなしくしてなさい」
歌うように紡ぎ出された声と同時に金色の雨が俺に降り注ぐ。
持ち上げる重たい腕はまるで間に合わない……。
「があっ――――」
無抵抗に近い状態でマトモに喰らった集中砲火は俺を壁際まで吹き飛ばした。
最初のコメントを投稿しよう!