最終章 そして未来へ

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  「二人とも! ちょ、ちょっと待ってくれ!」 「なんだ、神藤?」 「なんだい、響也君?」  この二人。本当に似たもの同士かもしれない。 「いや、なんて聞けばいいのかな……? えっと」 「…………」 「そうだな、俺は二人に助けられたのか?」  その言葉に見上げた視線の先でマスターが顔を柔らかくして言った。 「うん、正確には私と私の旧友で君が倒れているのを発見した」 「旧友?」 「そうだよ。私はあの後すぐ海外を回っていたんだ。私の安全はともかくカフカさんは攫われ、君や和輝君。そしてその家族まで巻き込んでしまった形になった……」  そこで一度俯いて。鼻の下に左手を当てたマスターが言葉を続ける。 「私はまず第3都市と交渉をしようと思った。それでも私一人じゃ何も出来ない。だから旧友を頼って協力を頼んだんだ」  何をどう頼ってどうしたのかもまるでわからないけど、それはこの際後だ。 「……それで?」 「詳しい事は省くけど、ようやく他国の権力含みで友人の承諾を得て、交渉の為に第3都市へ行ったんだがどうも様子がおかしい」  きっと、俺が突入したせいだろう。考える俺の耳元でマスターの声が続く。 「入り口の制服警備に都市へ入る事を申請したんだ。深夜なら彼がいると思ってね……当然、アポ無しだったから私が式辺だという事を話して、友人が他国の密命を受けていると伝えた」 「……そっか」
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