13853人が本棚に入れています
本棚に追加
それでも顛末を見たマスターに一縷の望みをかけ、問い掛けざるを得なかった。
「……それで、カフカは?」
「……残念ながら。あの場所には君と月代さん。ドレスの少女。そしてもう一人倒れた制服。その姿しかなかった」
「…………」
「後は、とにかく君の容態を最優先に考えて。和輝君に連絡をして医者の手配。しばらく時間が経って今に至る」
そうか。助かったのか……いや、正確には助けられたのか。
カフカ……あのまま消えちまったのだろうか?
切ない思いが体中を駆け巡る。
最後の最後。自らの存在ごとレイチェルを道連れに。空間から姿を消したカフカ。
世羅沙耶香のクローン……。
いや、そんな事は関係ない。俺にとって大事な人。
「……分かった。ありがとうマスター」
事の経緯を確認した俺は猛烈な眩暈を感じてそのまま深い眠りに落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!