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事の発端は数日前のことだった。
恭介達組織犯罪者対策部隊の一班から三班の隊員達はある組織が起こすテロの事前情報を掴み、その現場でテロの事前鎮圧及び、組織の関係者全員を一斉に逮捕する為、張り込んでいた。
その組織はメンバー全員が漆黒のフード付きのローブを着用し、顔を隠すために個々に違う模様の入ったのっぺりとした仮面を被っているという不気味な組織だった。
その風貌から軍部では『黒衣の組織』又は『仮面の組織』と言われている。
正式名称は不明。
ただ、この組織が発端となった事件の被害者は殆どが死亡。生き残った者は事件の詳細を語ることの出来る状態で生存している者は誰一人として存在していない。
そんな組織の情報が入ったのだ、少々の危険があっても強行することが何度となく開かれた会議で決定した。
何故なら、その組織こそ十年前に起こった『ノーザンド家の惨劇』の実行犯をメンバーとする凶悪犯罪者組織だという理由もあったからだった。
しかし、結果は失敗。
幸い、テロ事態はどうにか死亡者を出す事無く鎮圧することができた。だが、組織の―――特にカナタ・ノーザンドの確保には失敗。
だが、恭介が放った威嚇の為の攻撃魔法が偶然にも実行犯の一人の仮面に被弾し、顔を視認することに成功したのである。
しかし、それはあり得ないことに十年前に件の事件で殺害されたイブキ・ノーザンドに酷似していたのだ。
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