第10話

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「へえ。いってらっしゃい。 後で迎えにきてな?」 「いや、お前も帰れよ!」 「イヤや!うち、まだイギリスに居りたい!!」 「ってことだから。 アーサー、月音ちゃんよろしくね?アデュー」 「ちょっとまて!フランシス!!」 アーサーの叫びもむなしくフランシスは月音を置いてドアから出ていってしまった。 「…………………」 「?ニコニコ」 ただただ喋らずにお互い椅子に座る。 まぁ、表情は真逆だけど 「ハァ…」 「あ、ため息ついたら幸せ逃げるで?」 「………。 何で、残ったんだよ?」 「さっき言ったやん。 うちは、まだイギリスに居りたいって」 「俺の国、俺のところにか?」 冗談混じりの皮肉で質問してみたがアーサーの考えていたものとは、近いようで真逆の答えが帰ってきた。 「………ちゃうで。 今まであんたが頑張って守り続けてきた土地、国民を、や」
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