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「……………どうしても手放さなアカン?」
首飾りを見てから、俺の顔を覗いてきた
どこか不安そうな顔だ
しかし、ここを譲るわけにはいかない。
「うん。
もし、月音ちゃんに何かあったら危ないからね
何かあってからじゃ遅いし」
ずいぶん悩んでいたようだが渋々納得してくれたようだ。
自分のハンカチに包み込みながら俺の怪我をしていないほうの手に渡してくれた。
これは、とりあえず次の会議の時にでも報告しなきゃね。
ふと顔を上げると月音ちゃんのドアップが映った。
「月音ちゃん?」
いったい何かな?
と声をかけると
「あんな、うち服これしか持ってないねん。
だから、できたら服とか日用品買いに行きたいなぁて思うねん?
ついて来て?後、お金貸して?」
首飾りのことを言われるのかと思ったが、全く関係のない話だったので思わずポカンとしてしまった。
それから、
あぁ。何だか掴みどころのない子だな。
とも思ったが彼女の言ってることも、最もなので2人で買い物に出かけることにする。
さて、これから騒がしい日が続きそうだ。
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