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お立ち台を見ると、ブロンドヘアーに天然パーマの男の子が立っていた。
整った容姿の彼を見て女子からは、きゃーっと黄色い歓声が上がった。
「…あの子、かっこいい~。」
ちかりも目をハートにして、彼を見ている。
ポカーンとする吟子に、ウォンも興奮気味に話し掛ける。
「ねぇ吟子。あの子、かっこいいね。」
一方の吟子は、むーと眉間にしわをよせ、
「あたしには、ハイカラ過ぎてかっこよさがわからんのじゃ…。」
と、首を傾げた。
「…ロベルト・パトリシア。妖魔、バンパイア。」
そう短く自己紹介をし、パトリシアは黒いマントを羽織った姿になった。
また、きゃーっと女子から悲鳴が上がると、パトリシアは顔をしかめ、眉間を押さえた。
「…先生、俺貧血なんです。体調が悪いので、保健室行っていいですか?」
パトリシアはよろよろしながら、クシャナ先生に言った。
「ええ…いいわよ!気をつけてね。」
先生もトラブル続きに頭を抱えているようだった。
「ええっと、自己紹介は以上で終わりのようね…。今から教室に戻って、授業用のグループわけを行います。」
クシャナ先生はそう呼び掛け、皆教室に戻ったのだった。
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