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妖怪達が集まるあやかし学園。
今日は、入学式だ。
教室には様々な妖怪が集まり、厳粛な雰囲気の中、学園長の大善寺が熱弁をふるっていた。
「今日から、皆さんはこのあやかし学園の生徒である。…妖怪の存在が危ぶまれる昨今。皆、努力して再び妖怪の名を轟かせて頂きたい。」
大善寺は、自分の言葉にうんうんと頷きながら話していると、ガラッと教室の扉が開き銀髪の少女が現れた。
「ほわっ!大善寺のおじじ様!遅れてすまんのじゃ。」
何食わぬ顔で空いている席に着く少女に、大善寺はゴチンと拳骨を食らわせ
「吟子!お前という奴は…。」
と、顔を真っ赤にしてワナワナ震えた。
「っうぅ~!!痛いのじゃ!!おじじのバカチン!父上に言い付けるのじゃ!」
吟子と呼ばれた少女は大善寺を指差し、ぎゃんぎゃんと騒ぎ立てた。
「ぬぅう…吟子!お前は散々しごいてやる!以上、生徒諸君!こいつのようにならないように!!」
そう言うと、大善寺は吟子の頭をぐりぐりと撫でて、教室を後にした。
「うるさいのじゃ!」
去りゆく大善寺の背中に叫んだ吟子は、はっとしてクラスを見渡した。
背後できょとんとしている皆を見て、あぁ~やってしまった…と、吟子は頭を抱えた。
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